グリンSHIATSUマッサージ の日記
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古武道と抱き起こし
2012.09.05
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先日ある患者さんの紹介で、その方の娘さんが(40歳くらい)来院されました。
話を聞くと、背中が痛くなり息をするのも辛くて夜も眠れず、病院に行ってあらゆる検査を受けたが異常はなかったとのこと。胸椎の左側4番前後が痛むとのことだったので心臓かなとも思ったのですが、脈にはその兆候無し。念のため右側を調べてみると、本人は気づいてないようでしたが同じようなこりが見つかりました。
職業は介護職とのことだったので、思いあたるふしがあり職務内容を詳しく聞いてみると、思ったとおり担当する患者さんの抱き起こしに苦労しておられる様子でした。
それで鍼治療の後(痛みはほとんど無くなった)、抱き起こしの練習をしてもらいました。というのは本院のスタッフのSさんは抱き起こしが本当にじょうずで、どんな人でもあっという間に起こせる特技を持っているからです(笑)。
本人は盲学校で習ったといってましたが、やり方は古武道の達人で有名な甲野善紀さんが提唱しておられるものと同じとのことでした。
その方法とは、仰臥姿勢(仰向け)からいったん患者を横に向け、起こすのではなく回転させるように起き上がらせるというもの。文章で説明するのはなかなかなか難しいですが、かなり大きな人でもあっという間に起き上がらせることができます。
このときの身体の使い方はまさに、合気道や指圧に通じるものがあり、力まかせではなくむしろ抜くような感じで自然に身体を動かせば、起こされる側も楽なものなのです。何回か練習して帰っていただきましたが、職場に戻ってからも同僚相手にしっかり練習し、身体で覚えていただくとよいのですが・・。
腰痛や背中痛で悩む介護職や看護職の方々は、職場で定期的に練習されるとよいと思います。ご希望があれば、喜んで本院の抱き起こしの達人を派遣いたしますが・・。